【セイロン紅茶の衰退の危機】有機栽培への移行がセイロン紅茶の生産量を減少させる?

産地の特色

こんばんは。紅茶ホビットです。

大分涼しくなりました。

長袖を着てちょうどいい気候ですね。

紅茶がめちゃめちゃ美味しく感じますよ。

茶葉の消費量が爆増してしまいそうです。

今年度の福袋までストックが持つか危うくなってきました。

ちょっと買い足さないといけなくなりそうです。

ここ最近の紅茶事情のニュースでスリランカの紅茶が飲めなくなるかもしれないという大ニュースがあったので、今日はそれについてみていこうと思います。

今月12日のAFP通信からですが、スリランカの大統領ゴタバヤ・ラジャパクサさんが、今年から化学肥料の輸入を禁止するようにして、国内農業の有機栽培の推進を開始したというんです。

スリランカ国内の農業生産を全て有機に変える世界初の国にしていこうと取り組んでいるらしいのです。

有機栽培はとっても聞こえがいいですよね。

ですが、スリランカの主要農作物のシナモン、胡椒、コメ、そして紅茶などが生産量が落ち込むとの予想がされ、先行きの暗い状態だというのです。

紅茶の生産量が減少すれば、スリランカの低迷している経済にさらに打撃を与えるであろうということが懸念されているというわけです。

「化学肥料の輸入禁止は紅茶業界を大混乱にし、年間の平均生産量の3億キロから半減する恐れがある」と語るのはハーマン・グラナトラさんという世界有数な紅茶生産をしている人の一人です。

彼の作るヴァージンホワイトティーはキロ単価2000ドル(日本円で約22万円)もする超高級茶を生産しているのですが、セイロン紅茶の中でも化学物質の含有量はどの紅茶の中でも最低レベルでしか検出されない害のないものだと主張しているんですね。

大統領のラジャパクサさんも有機栽培推進のための46人の一人にグラナトラさんを起用していたのですが、意見が対立してしまい推進作業部からは除外してしまうことにもなってしまったそうです。

「社会的、政治的、経済的に莫大な費用がコストのかかる夢だ」そう言い切るのはスリランカの経済アナリストのW.A.ウィジェワルダナさんです。

外貨がなければ日に日に悪化するし、食糧安全保障も損なわれるだろうということです。

茶園でも生産量が落ちれば収入が減るし、仕事がなくなれば大量の失業者が出るし、スリランカの紅茶工場オーナー協会では「紅茶栽培がダメになれば300万人が職を失う」といっているほどです。

一方で政府の方は「肥料は紅茶産業に有益なものを提供していく」とプランテーション相のラメシュ・パティラナさんが化学肥料の代わりに有機コンポスト(微生物の力で生ゴミや落ち葉などの有機物を分解・発酵させ有機肥料をつくること)を設置する方針を発表しています。

農業に従事している人たちからは有機農業を推進していけばシナモンや胡椒の輸出にも影響が出てくると訴えているようですね。

これについて大統領のラジャパクサさんはあまり聞く耳を持っていないようで、最近の国連サミットで有機農業を推進することでスリランカ国民によりよい食糧安全保障と栄養補給ができるようになると発言しているようです。

さらに各国に対して、の食料システムを持続可能な方法に変えるために必要な大胆な施策を打ち出し、スリランカに続くようにと呼び掛けているようです。

SDGsの弊害とでも言えそうな状況ですが、政府のやることはどこでもまず目標を立てるのはいいんですが、地固めをせずに明らかに空中分解するぞって行動をとるのはどうしてなんでしょうね。

目標に対しての中間達成点とその経過観察の計画ってないのが不安を煽らされます。

耳に心地いいだけの施策じゃない、実行可能な目標計画も一緒に説明してくれればもっと国民も政府に寄り添おうと考える人が出てくるんじゃないですかね。

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